設問の型――8割は「どういうことか」と「なぜか」

この柱では、出題者が一つの問題を作り上げるまでを、作る順に追っている。前回は、文章のどこに傍線を引くか。今回は、その傍線部を、どんな形で問うか。

問題の型も有限

生徒
出せる文章は限られている、って話だったけど、問題の作り方はいくらでもあるんじゃないの?
先生
そう思っている人が多いのだけれど、そんなことはない。文章と同様に、国語の問題も、8割くらいは「どういうことか」型と「なぜか」型で、大抵の問題は構成されている。先に言っておくと、イレギュラーなパターンとして、違いを問う問題や、小説なら心情を問う問題もあるので、残る2割はそんなところ。

東大の問題は、なぜ型が割と多い。新しい先端の文章を中心に、短く2行で答えさせるような形で、なぜで聞くことが多い。京大の問題は、どういうことか型が多い。割と古い、アカデミックな文章を持ってきて、その内容についての読解力を問おうとする。そういう傾向にある、と見ている。

どういうことか型

生徒
「どういうことか」って、何を答えればいいの?
先生
どういうことか、というのは、正式に言うと内容説明問題になるのだけれど、結局は、難しい文章をきちんと理解できますか、ということ。だから、傍線部分を――スラッシュを入れて、とよく言っているけれども――分けていって、「ここを言い換えたら1点もらえるな」「記述問題なら要素の1点になるな」というふうに逐語訳をしていくのが、どういうことか型の解き方になる。その点数になる要点は、結局、難しい語であったり、指示語であったり、比喩表現であったりするところなので、問題を見ていても、ここを言い換えたら点数になるんだな、と受験生も把握がしやすい。

なぜ型

対して、なぜ型の問題は、なぜにきちんと答えるのが実は結構難しい。質問文とその答えがちゃんと呼応しているかどうかを、確認しなければならない。だから授業でよくさせているのは、その質問文に対する答えの核の部分を15字程度で考えさせて、それに肉付けをする、という形。核になる理由は大抵本文の中に書いてあるので、それを探してくるところから始める。

例えば東京大学だと、論理の飛躍があるところになぜ型の問題を入れてきて、そこを埋めさせるような問題を出してくることがある。これは非常に難しい。だから、そんなにはしない。東大くらいしかしない気がする。

小説は、きっかけと心情をセットで

生徒
小説の心情の問題も、なぜ型と同じ?
先生
小説の心情問題は、なぜ型と割と似たような形にはなる。ただ、「何々が引き金で、何々と思った」というように、心情を問われた場合は、きっかけと心情をセットで答えるのが非常に重要。この場合、例えば主人公や登場人物のアクション、行動に傍線を引いて、「この行動を起こしたときの○○の心情は」というふうに問題を作れば、「こんなことがあって、こういうふうに思ったから」のような形で答えを作れる。ところが、心情そのものの方に傍線を引いて「この心情はなぜか」と聞いてしまうと、その直前のアクションを答える形になって、心情が問えなくなる。そういう意味で、小説ではなぜ型だけでなく、心情を問う問題が出されているのだろうと思う。

いずれにしても、評論にしても小説にしても、傍線部がある問題については、その近くに答えの根拠が大体あることになる。

設問文と模範解答は、一緒に作る

生徒
「どういうことか」で聞くか「なぜか」で聞くかは、どうやって決めるの?
先生
大体その二択なのだけれど、これも実は、割とどちらでも問えることがよくある。ただ、模範解答が変わってくる。だから、設問文を考えるときには模範解答を一緒に考えるし、模範解答を考えながら設問文の方もいじることになる。両方を常に呼応させながら作っていく、というのは、受験生も知っておくといいと思う。

また、設問文は、実は、シンプルであればシンプルであるほど美しい。だから、「なぜか」「どういうことか」で聞いてくる東大や京大には、やはりそこの矜持があるのだろうと思う。

但し書きは、極力したくない

生徒
問題文に付いている「具体的に述べよ」みたいな一言は、どこから来るの?
先生
それは、受験生が書いてくる答案を想定する際に、「このままだとこういう答えになってしまうな。だから、この注意書き、但し書きを入れておかなければ」という形で、追加の要素を差し込むことになる。「具体的に述べよ」と書かれているときには、ああ、具体的に書かなければいけないんだな、ときちんと分かった上で解かないと、違う方面の答えになってしまうので、気をつけなければならない。個人的には、そういった但し書きは極力したくないと思っている。

まとめ

  • 問題の型も有限。8割は「どういうことか」型と「なぜか」型。残る2割が、違いを問う問題や小説の心情。
  • どういうことか型は内容説明。難しい語・指示語・比喩を言い換えれば点になる。
  • なぜ型は、質問文と答えの呼応が要る。核になる理由は本文の中にある。
  • 小説の心情は、行動に傍線を引いて、きっかけと心情をセットで答えさせる。
  • 設問文と模範解答は、常に呼応させながら一緒に作る。但し書きは、答案を想定して足すが、出題者としては極力入れたくない。
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