中屋敷均「科学と非科学のはざまで」
2019年度 東京大学 前期 第一問
科学が世界に「形」を与え、すべてが分かるようになることは、人間にとって望ましい世界なのか。そして「分からないこと」が残ることに、どんな意味があるのか。
生命と知性は、どのような世界において成立するのか
秩序の極(静的・確定)
たとえ(水):氷=分子が強く結びつき規則正しく並ぶ
生命:自己複製=同じものを作り秩序を保つ
科学と人間:すべてに形が与えられ、適性も伴侶も予測できる世界
⇔
無秩序の極(動的・混沌)
たとえ(水):水蒸気=分子が束縛を離れ自由に飛び交う
生命:変異=違うものを作り秩序を壊す。世界は無秩序へ向かう
科学と人間:何も分からない混沌。目をつぶってすがるほかない
限定生命も知性も、この両極のどちらでも生きられない。二つの相のはざま=「カオスの縁」でこそ、複雑な「形」が生まれる。